交通事情

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特快の変遷(2007年)
昨今の中国の変化には驚かされっぱなしです。後追いの国の発展速度は加速度的に速くなるといいますが、現代の中国を見ているとまさにその通りだとうなずきたくなります。

今年(2007年)になって私は二つの列車に初乗車いたしました。一つは上海から杭州へ行く新幹線型の特快で、今ひとつは上海から南京行きの同じくやや新幹線型の(笑)特快です。

左の写真は別のページにも掲げましたが、上海=杭州間を結ぶ特快の姿です。
日本の新幹線を参考にしたといわれる車両ですが、外観といい内装といいかなり洗練されています。
上海=杭州間をわずか一時間半ほどで走る特急列車です。
出発駅は上海南駅ですが、この駅もまた立派な駅舎で空港と見間違えるばかりです。
セキュリティや待合室などまさに空港ともいうべきもので、はじめていくと戸惑うばかりです。

もちろんこれまでの特快とは運賃も違います。割高の料金ですが、それでも満席で、杭州から上海へ帰るときには当日券が買えないほどの人気ぶりです。ただ乗客のマナーは発展の速度についていけないようで、昔のままのところもずいぶんありましたが・・・(笑)

上海と南京を結ぶ鉄路は別形式の列車が走っています。
「和諧号」と名づけられた新型車両がそれです。あいにく実物の写真を撮ることができなかったので、模型の写真を載せます。

左の写真の上段がその「和諧号」です。
この列車は平均時速が百数十キロ程度で、上記の新幹線型よりは走行速度が遅いですが、それでも南京=上海間の時間短縮には貢献しているようです。
私は上海から南京の手前の鎮江までの往復にこれを利用していますが、蘇州や無錫の各駅を停車する場合で上海から鎮江までおよそ2時間、ノンストップでおよそ1時間半という短時間でそれらの都市を結んでいます。
以前の不便な時代のことを思うと昔日の感があります。
コンピューター化が進んで切符の予約も遠隔地からできるようになり、本当に便利になったものです。

長距離高速バス(古いお話)
中国では日ごと高速道路が建設され続けています。本格的なモータリゼーションにはまだ間がありそうですが、都市部では自動車が街中に溢れんばかりです。上海では乗用車が多くなっています。バスは市街地ではトロリーバスも走っていますが、たいていは二つの車両を途中で切ってくっつけたようなタイプが多いですね。真ん中が連結されていて幌で覆ってある、あのバスです。しかし、最近は完全一輌型で、冷暖房完備車輌も増えてきました。

しかし、今のところ長距離高速バスは外車の独壇場です。長距離を高速で走りつづけるにはエンジンだけでなく車輌全体の性能が良くないとダメです。その意味で国産車はまだそのレベルに達していないということでしょう。また、外国人が乗る確率が高いので外車を使っているのかもしれません。長距離バスでは最近私営の企業が参入しています。そこでは飛行機なみのサービスをしますと宣伝してあります。何が飛行機なみかといえば、途中で機内食ならぬ車内食のサービスがあるのです。しかし、内容は日保ちを良くするためか乾き物系のお菓子ばかりです。固くていっしょに配られたミネラルウォーターなしでは咽喉を通らないというものです。ちなみにその「弁当」とミネラルウォーターは車掌(女性)が座るシートの中に保管されておりました。彼女の尻にしかれた弁当…う〜ん、なんと申しましょうか……。

高速道路の途中にはパーキングエリアやサービスエリアもあります。サービスエリアではレストランもあり、ここで食事をすることもできます。日本のそれとはちがって、何かにつけ大雑把ではありますが、システムとしては共通です。

列車 (比較的最近のお話)
中国の列車は時間通り走らない、というのが通説でした。飛行機ですら中華系は時間を守らなかったのですから、列車が時間を守らなくても当たり前であったのです。しかし、ちょっと前から手のひらを返したように時間に正確になりました。上部からの指示があったのでしょうか。おかげでこんにちではほぼ時刻通りに運行されるようになっています。ただ発車するとき、何の合図もなしにいきなり走り出すのは止めて欲しいなぁとは思いますが。

列車の内装も、車輌自体も良くなってきつつあります。以前わたしがよく利用していた上海=杭州間の列車は寝台車兼用で、席は板張りで長時間乗っていると尻が痛くなったものです。トイレも下の線路がそのまま見えるというようなものでした。時間も3時間ほどかかりました。しかし、いまや一応クッション付のシートになり、トイレも水洗(?)になっています。時間もおよそ半分まで短縮されました。しかも車輌は2階建てです。トンネルというものがないので、3階建てでもいけそうです(笑)。

上海駅は市の中ほどにありますが、ここへは地下鉄も入って便利になりました。それまではラッシュの中をタクシーで飛ばして、時計とにらめっこの心臓に悪い乗りこみ方をしていたものですが、いまではほぼ時間が読めるようになりました。一方、杭州行きなどの列車は上海駅からではなく、市内南にある別の駅(梅龍駅)が始発になりました。ここにも地下鉄が走っているので交通は便利です。

列車では車掌さんが時々大きなヤカン(冬にはポット)をもって車内を回ります。乗客の人々は持参したコップをわれがちに彼女に差し出します。お湯をもらうのです。中国の人はお茶好きで、たいてい自分の湯のみを持参しています。お茶の葉が中に入っていてお湯を注ぎ足しては飲むのです。いまでもネスレのコーヒービンがもてはやされています。
窓際にはものおきのような小さなテーブルがあります。ここには小さな盆が置いてあります。わたしは最初それが何のために置いてあるのかわからなかったのです。人々は列車に乗りこむや否やカバンから、ポケットから食べ物を出して食べ始めます。代表的なものがひまわりの種です。これをかじりながらおしゃべりに花を咲かせます。そして、その殻をこの盆の中にぺっぺっと吐き出すのです。

列車が終着駅に近づくと、車掌さんはやおら車内の掃除をはじめます。客の方は箒が足元にくるごとに両足をあげて掃除の邪魔をしないようにします。さらに大きなごみ袋を両手に持って窓際の盆の中のごみを集めていきます。駅に到着するまでに車内掃除を終えなければいけないのでしょう。駅に着いたときには車内はすっかりきれいになっているのです。

 

高速道路逆走事件 (2007年)
高速道路を逆走して事故を起こすという事件を最近よく見聞きします。だいたいは高齢の方が道をまちがえての逆走らしいですが・・・。

私は中国で高速道路を逆走したことがあります。もちろん私が運転したわけではありませぬ。運転手氏がおりましたが、彼の決断で高速道路逆走と相成ったしだいであります。

それは中国山東省青島の流亭飛行場から済南へ向かう途上のことでありました。
済南まで飛行場からおよそ1時間弱の行程です。天気もよく絶好のドライブ日和でありました。この一帯は高い山がなく、丘のような小山が散在しております。樹木相は貧しく、まばらな潅木が生えているくらいです。それらの風景を楽しみながら車は調子よく済南の出口までやってきました。しかし!なんと出口はなんの断りもなく閉鎖されているではありませんか。事前の警告もなく、いきなり出口への路上にアスファルトの塊が置かれて道をふさいでおります。
それを見た運転手氏はすぐに次の出口へ向かいました。当然ですね!
しかし、私の思惑とは異なり(私は次の出口で降りると思っておりました・・・)、その出口でいきなりユーターンし始めました。そこは出口であると同時に高速道路の終点でしたので、入り口と出口が一緒になっているところでした。そこでこんな芸当ができたのであります。

車は反対車線に入り、一路済南への出口へと走ります。しかし、しかし、なんと反対車線の出口も封鎖されていたのであります。さすがの運転手氏も途方に暮れたのでしょう、出口の前に車を止めしばし沈思黙考の様であります。我々は殿様気分ですから気楽なものです。これ幸いと高速道路に降りて一服するは記念写真を撮るはという能天気さです(笑)
運転手氏も一服しておりましたが、なにやら決意したのかやおら車に乗ってくれと手招きします。車に乗りますと、運転手氏は高速道路を逆走しはじめました。もちろん慎重に路肩を走るのですが、こちらに向かって走ってくる車はそんなことは知らずにビュンビュン飛ばしてやってきます。いかにハザードランプを点けて走行していても、危険度は低くなりません。
人間、思い込みというのは恐ろしいもので、高速道路を走っているときは逆走車があるということなど思いもしないのです。相手の車は顔が見えるほど接近してようやくこちらが逆走していることに気づいてギョッとした顔をして驚いています。それはそれなりに面白いですが、こちらも命がけです(笑)

十分間ほどの逆走を終えて我々はようやく終点出口へ到着しました。しかし、そこには何故か大勢の警官たちがたむろしています。運転手氏も我々も逮捕を覚悟しました。ところが、彼らは我々を見て見ぬ振りをしたのです。出口が封鎖されているのに同情してくれたのでしょうか。おかげで我々は無事高速道路を脱出できたのでした。

*右の写真はその時のものです。こちらに向かって走っているワゴン車が「正しく」走行しているのです。我々が路肩を走行しているのがわかるでしょうか・・・。
相手の運転手が「なんじゃぁ?!」といっているのがよく分かります。(もちろん中国語!(笑))

 

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